明治謎解きアトラクション「江戸川乱歩の不完全な事件帖~本格ミステリーの世界にようこそ~」にチャレンジしています。
せっかくなので謎解きのモチーフである『江戸川乱歩』の作品を読んでみよう!
ということで、
今回は『D坂の殺人事件』を読みました。
謎解き『Scoop03S坂の強盗事件』の原作にあたります。
『D坂の殺人事件』を読んだ感想を謎解きの内容に絡めて書いています。
江戸川乱歩 D坂の殺人事件 あらすじ
登場人物
私
学校を出たばかり。
まだこれという職業もなく(働いていない)
下宿屋で本を読んでいるか、当てもない散歩をし、あまり費用のかからないカフェを巡るのが日課になっている。
明智小五郎
私が白梅軒で知り合った男。20代。
変わり者。頭が良さそう。探偵小説好き。
幼馴染が古本屋の奥さんになっている。
↓事件関係者↓
古本屋の奥さん
なかなかの美人
夜はいつでも店番をしている。
カフェのウエイトレスの噂によると、
身体中傷だらけだとか。
夫婦仲は悪くない。
蕎麦屋・旭屋の奥さん
よく怪我をしている。叩かれた傷があるとか。(カフェでの噂)
舞台
D坂にある白梅軒(カフェ)の向かいにある古本屋
時は、九月になったばかり。
まだ蒸し暑い。
D坂にあるカフェ白梅軒で私と明智小五郎は、冷やしコーヒーを飲みながら向かいの古本屋を眺めていた。
本泥棒が30分にも満たない間に4人もいた。
障子が閉まっているので、家の人がいないようだが、店を開けたまま30分も誰もいないというのは変だ。
ということで、
私と明智小五郎は白梅軒を出て、古本屋へと向かった。
声をかけるも返事もない。
奥を覗いてみると、中は電燈が消えて真っ暗。
しかし部屋の隅に人間らしいものが倒れている。
「上がってみよう」
私と明智は奥の間へ上がり込み、
明智が電燈のスイッチをひねる
「あっ」
部屋の片隅には、女の死骸が横たわっていた。
古本屋の奥さんだ。
首絞められているようで、とても蘇生の見込みはなかった。
警察の調査の結果
古本屋の奥さんさんは、絞殺。
右手で絞められたようだ。
死後1時間以上経過していない。
古本屋の障子の隙間から男の姿を見たという証人がいる。
その一方で、古本屋へ出入りした人間の確認ができない。
密室事件。
唯一の手がかりと思われた指紋も、明智小五郎のものしか出てこない…
警察の捜査は難航しているという。
「できるかできないかわかりませんけれど、
一つこの事件を探偵して見たい様な気がしますよ」
事件から10日ほどたったある日
私は明智小五郎の宿である煙草屋を訪ねた。
私なりにD坂の事件について調べて、一つの結論に行き着いたからだ。
「犯人は、明智小五郎、君だ!」
果たして、明智小五郎の反応はいかに!?
(続く)
D坂の殺人事件 感想 ~謎解き「S坂の強盗事件」を思い出しながら~
名探偵・明智小五郎初登場作品
明智小五郎シリーズとして映画やテレビドラマとして映像化されている有名な作品ですよね。
密室殺人事件!
謎解き「S坂の強盗事件」の中にも要所要所でD坂が散りばめられているな✨と思った次第です。
密室
指紋
明智の推理
被害者と加害者の利害の一致
いい展開でした!
個人的な一番の思い入れポイントは、
謎解きの明智金之助の衣装が、いつもと違うと言うことでした(笑)
『明智小五郎が、いつもの荒い棒縞の浴衣を着て』
『着物の柄は黒だった』
『着物の柄は白だった』
それで謎解きの明智金之助の衣装が、白と黒の縞模様の背広だったのね!
いつもと違う格好だから、ついに怪人二十面相的なキャラが出てきたのかと思ったのに!!
違った(T ^ T)
それ以外ですと、
謎解きの太郎少年の書いたあらすじもD坂を思い出させる文面でしたねぇ。
あまり費用のかからぬカフェ→飯屋
この白梅軒というのは→この支那そば屋
あとは、
太郎少年が一生懸命推理して
「犯人は金之助さん、あなただ!」
と証拠品を突きつけるも、
ゲラゲラ大笑いされちゃうところとかね。
「いやいや失敬失敬、決して笑うつもりはなかったのだが、君が余りにも真面目だから、ついね」
などなど、割と原作の文章が忠実に再現されていたと思います。
原作と謎解きキットの読み比べしてみるのも面白いかも♪
あとは謎解き開始早々の「どこへ行けばいいんだよ!?」問題ですが、
あれ、よくできてたなぁ~と思う訳です。
問題だけ見て、なんとか答えを導き出したとしても
「なんで?」
となってしまうのですが、
冒頭ストーリーを考えると、すごくスムーズな流れになりますよね!
原作で
D坂のカフェ白梅軒で、私と明智が冷やしコーヒーを啜っていたように
謎解きでは
S坂(明治村の七条坂)にある支那そば屋(実際にはないけれど、謎解き期間中は支那そばが食べれますよね!)で、太郎少年と金之助は支那そばを食べているわけですよ(食べれてないけど)
そして
私と明智が古本屋に向かったように
太郎少年と金之助も目撃情報を元に導き出した場所へと向かうのです!
おお、見事な展開!
他にも謎解きで金之助が言う
「逃げた男の特徴なんざいちいち覚えていない」
というセリフから
原作にある証人の記憶=人間の観察や記憶なんて実に頼りないものだから~ということを思い出させます。
指紋
アイスクリン屋
小学校
連想診断
あったねぇ~
D坂、面白かった!
S坂も、面白かった♪
D坂の殺人事件の漫画はあるのか?
江戸川乱歩 異人館 第1巻
明智小五郎×絞男~D坂の殺人事件~
作画:山口譲司
出版:集英社
漫画、ありましたよ!
D坂の殺人事件 結末
明智小五郎は、ゲラゲラ笑い出して、自らの推理を語り出す。
私の推理した点を一つ一つ否定していく。
「犯人は、蕎麦屋・旭屋の主人ですよ」
まあ物理的な証拠がないので、警察に言うわけにもいかないと。
明智は古本屋の奥さんの身体にあった生傷に着目。
蕎麦屋の奥さんにも同じような生傷があることを聞き込む。
しかし古本屋にしても蕎麦屋にしても、夫君は乱暴者ではなさそうだ。
何か秘密があるのではないかと古本屋主人と蕎麦屋主人に聞き込みを行う。
古本屋の主人からは奥さんの幼馴染だった、ということで比較的楽に確認することができた。
蕎麦屋の主人から聞き出すのは難しかったが連想診断をやって聞き出すことができた。
結論。
蕎麦屋の主人がSで、古本屋の奥さんがMだった。
二人は密かに情事を重ねていたが、不幸な偶然で、あの日、事故が起きてしまった。
そこに明智の下宿やどである煙草屋のおかみさんが夕刊を持ってきた。
「ああ、自首したみたいですね」
と、明智は新聞を指差す。
小さい見出しで、10行ばかり
蕎麦屋の主人の自首した旨が記されていた。
まとめ
明治謎解きアトラクション「江戸川乱歩の不完全な事件帖」のモチーフとなっている江戸川乱歩の小説を読ました。
謎解きの思い出を交えた感想を書いています。
*明治村の謎解きから江戸川乱歩の原作を読んでみた感想(まとめ)
よろしければご覧ください。
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