博物館明治村には、たくさんの建物がありますが、そのうちのいくつかは、重要文化財に指定されています。
明治村を回る際に、重要文化財を中心に回ってみるのは、いかがでしょう?
いつもとは違った視点で明治村を楽しめるかも!?
というわけで、
今回は、明治村に重要文化財が全部でいくつあるのか。
またそれぞれの重要文化財の見どころについて、まとめています。
明治村に重要文化財はいくつあるのか?
博物館明治村には、全部で14件の国指定重要文化財があります。
- 建物:11件
- 産業遺産:3件
明治村の重要文化財の見どころは?
呉服座(くれはざ)
大阪にあった芝居小屋。
外観も見どころではありますが、やっぱり建物内部の芝居小屋らしい仕掛けが面白いです。
「建物ガイド」に参加すると、非公開箇所を含め、建物内部の詳しい説明が聞けるので、時間が合えば是非参加してみてください。
また明治偉人隊の公演やイベントなどが開催される建物です。
その時は、呉服座の桟敷に座って舞台を楽しむことができます。
当然、靴を脱ぐことになりますので、その際は脱着しやすい靴を履いてくることを推奨します。
あと、冬はとても寒いよ(笑)
呉服座(重要文化財) | |
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指定年 | 昭和59年(1984) |
旧所在地 | 大阪府池田市西本町 |
建築年 | 明治25年(1892) |
場所 | 明治村4丁目49番地 |
呉服座<建物ガイド> | |
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予約 | 予約不要。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約15分 |
集合場所 | 呉服座 入口付近 |
開始時間 |
(※土日祝のみ) |
宇治山田郵便局舎
長い修理工事を終え、2022年11月から再び公開されるようになった建物。
現存する木造郵便局舎としては、唯一の存在です。(貴重)
修理され、きれいになったので、屋根の色が銅板色に変わりましたね。
修理前は緑色でした。
さて、何故でしょう?
(名古屋城も同じ原理で緑色の屋根だよ)
↓
答え:銅は、経年劣化(酸化)すると、緑青色になります。
村営バスに乗車すると、運転士さんがこの話をしてくれるかも。(運転士さんによったり、混雑具合によっては無い時もありした)
中がホールになっていて、天井がとても高いのでぜひ見てください。
宇治山田郵便局舎 | |
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指定年 | 平成11年(1999) |
旧所在地 | 三重県伊勢市豊川町(日本郵政株式会社が所有) |
建築年 | 明治42年(1909) |
場所 | 明治村4丁目46番地 |
リング精紡機
明治村にある重要文化財に指定されている産業文化財のひとつ。
繊維から糸を作る(紡績)作業の最後の工程である、糸にするために撚ったり伸ばしたりする作業を行い、糸を自動的に巻き取る(精紡)を行う機械です。
当時の紡績機械の中でも最も優秀なものと言われていた機械です。
リング精紡機が展示されている鉄道寮新橋工場・機械館でもガイドが行われています。
タイミングが合えば、是非参加してみてください。
リング精紡機 | |
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指定年 | 平成11年(1999) |
製造年 | 明治26年(1893) |
使用場所 | 岩手県(岩手県立盛岡工業高校) |
場所 | 明治村4丁目44番地 鉄道新橋工場・機械館の建物内 |
鉄道寮新橋工場・機械館<定時ボランティアガイド> | |
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予約 | 予約不要。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約30分 |
集合場所 | 鉄道寮新橋工場・機械館 |
開始時間 |
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菊花御紋章付平削盤
菊の御紋がついているのが特徴。
明治政府が殖産興業を推進するために設置した直轄工場・工部省赤羽工作分局で作られた機械。
機械工業化が始まった辺りの工作機械。
菊花御紋章付平削盤 | |
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指定年 | 平成13年(2001) |
製作年 | 明治12年(1879)工部省赤羽工作分局が制作 |
旧所在地 | 岩手県(岩手県立盛岡工業高校) |
場所 | 明治村4丁目44番地 鉄道新橋工場・機械館の建物内 |
鉄道寮新橋工場・機械館<定時ボランティアガイド> | |
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予約 | 予約不要。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約30分 |
集合場所 | 鉄道寮新橋工場・機械館 |
開始時間 |
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ゐのくち渦巻ポンプ
2022年に重要文化財に指定された、産業遺産。(割と最近指定されたものです)
井口式渦巻ポンプの最初期のもので、現存する最古のものになります。
ゐのくち渦巻ポンプ | |
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指定年 | 2022年3月22日 |
製造年 | 明治45年(1912)國友機械製作所が制作 |
場所 | 明治村4丁目44番地 鉄道新橋工場・機械館の建物内 |
鉄道寮新橋工場・機械館<定時ボランティアガイド> | |
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予約 | 予約不要。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約30分 |
集合場所 | 鉄道寮新橋工場・機械館 |
開始時間 |
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菅島灯台付属官舎
灯台守であった職員の住んでいた官舎(洋式住宅)。
「お雇い外国人」第1号・灯台技師ブラントンさんが設計。
「木目塗り」という塗装で木目を描くという技法が随所に使われているのも特徴。
菅島灯台付属官舎 | |
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指定年 | 昭和43年(1968) |
旧所在地 | 三重県鳥羽市菅島町 |
建設年 | 明治6年(1873) |
場所 | 明治村3丁目30番地 |
品川燈台
現存する最古の洋式灯台。
フランス人技師・ヴェルニー設計。
部品はフランスから輸入されているので風見の示す方向がフランス式。(N北S南E東O西)
品川燈台 | |
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指定年 | 昭和43年(1968) |
旧所在地 | 東京都港区品川 |
建設年 | 明治3年(1870) |
場所 | 明治村3丁目29番地 |
西園寺公望別邸「坐漁荘」
明治の元老・西園寺公望が余生を過ごした邸宅。
建物ガイドがあるので、是非参加して、非公開になっている建物内部から見てほしいです。
なかなかハイカラな設備が整ったお屋敷でございます。
西園寺公望別邸「坐漁荘」 | |
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指定年 | 平成29年(2017) |
旧所在地 | 静岡県静岡市清水区清見寺町 |
建設年 | 大正9年(1920) |
場所 | 明治村3丁目27番地 |
西園寺公望別邸「坐漁荘」<建物ガイド> | |
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予約 | 予約不要。 建物保護のため人数を制限する場合あり。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約15分 |
集合場所 | 園寺公望別邸「坐漁荘」 玄関付近 |
開始時間 |
(※土日祝のみ) |
札幌電話交換局
石造りの建物。内部の床や間仕切りなどは、木造。
二階窓下の胴蛇腹に花紋が連続している手法が特徴です。
(西欧でよく用いられた手法)
札幌電話交換局 | |
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指定年 | 昭和43年(1968) |
旧所在地 | 札幌市大通 |
建設年 | 明治31年(1898) |
場所 | 明治村2丁目21番地 |
東松家住宅
名古屋市内にあった町屋。
油屋→銀行という生業をしていたおうち。
相次ぐ増改築を繰り返しているためか、いろいろ工夫がしてあります。
通り土間が3階まで吹き抜けになっていて、開放的!と思うのと同時に、天井の掃除が大変そうだな……と思ったことが思い出深い。
お茶室だったかな?物品を上げ下げするために、つるべ落としみたいな昇降機が設置されていて、面白かったです。
事前予約制ですが、建物ガイドに参加する機会があれば、是非ガイドしてもらってください。
東松家住宅 | |
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指定年 |
昭和49年(1974) |
旧所在地 | 名古屋市中村区名駅 |
建設年 | 明治34年(1901)頃 |
場所 | 明治村2丁目18番地 |
東松家住宅《建物ガイド・イマーシブ(事前予約制)》 | |
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場所 | 東松家住宅(2丁目18番地) |
予約 | 事前予約制 【申し込み方法】 メールまたはFAXにて申し込み ・Eメール:meiji-info@nrr.meitetsu.co.jp ・FAX:0568-67-0358) ①名前 ②電話番号 ③希望の日時 ④人数 ⑤入村窓口(正門または北口) を記載のうえ申込。 ※1か月前から14営業日前までに申込 |
料金 | 1グループ3,000円(1グループ10名以下) |
所要時間 | 約30分 |
集合場所 | 東松家住宅建物入り口付近 |
開始時間 |
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東山梨郡役所
当時の山梨県令であった藤村紫朗が地元に多く建てさせた洋風建築のひとつ。
いわゆる擬洋風建築。その代表格の建物。
この建物にも「木目塗り」が施されています。どの部分が木目塗りになっているのか探してみるのもおもしろいかも。
(ちなみに私は、誰かに言われない限り、そこが木目塗りだと気づけません!)
東山梨郡役所 | |
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指定年 | 昭和41年(1966) |
旧所在地 | 山梨県山梨市日下部町 |
建設年 | 明治18年(1885) |
場所 | 明治村2丁目16番地 |
三重県庁舎
現存する最古の県庁舎。洋風です。
昭和39年(1964年)まで使用されていました。
明治初期の木造菅庁舎の典型です。
ここにも「木目塗り」の箇所があります。
本来の木材の木目を塗り、より高価な木材の木目を描くことで高級感を出しています。
三重県庁舎 | |
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指定年 | 昭和43年(1968) |
旧所在地 | 三重県津市栄町 |
建設年 | 明治12年(1879) |
場所 | 明治村1丁目13番地 |
西郷從道邸
西郷隆盛の弟である西郷從道が、接客用に設けた洋館。
外観も素敵ですが、内部を見てほしいです。
2階主室にある暖炉の額縁飾りは、なんと焼物(瀬戸焼)です。
これ以外にも外国製のものと、日本の伝統技術を生かしたもの、どちらもが室内に活かされています。
この建物には「建物ガイド」があるので、時間が合えば、是非参加してみてください。
非公開エリアを説明しながら見ると、すごくよく理解できるので!
西郷從道邸 | |
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指定年 | 昭和40年(1965) |
旧所在地 | 東京都目黒区上目黒 |
建設年 | 明治13年(1880) |
場所 | 明治村 1丁目8番地 |
西郷從道邸<建物ガイド> | |
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予約 | 予約不要。 建物保護のため人数を制限する場合あり。 |
料金 | 無料 |
所要時間 | 約15分 |
集合場所 | 西郷從道邸建物入口付近 |
開始時間 |
(※土日祝のみ) |
聖ヨハネ教会堂
1階が日曜学校や幼稚園。
2階が会堂として使われていたレンガの教会堂です。
中のステンドグラスもキレイです。
1階部分は、「つみきひろばGabe」が2022年6月にオープンしました。
2階には、クラウドファンディングで復元されたリードオルガンが展示されています。
聖ヨハネ教会堂 | |
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指定年 | 昭和40年(1965) |
旧所在地 | 京都市下京区河原町通五条 |
建設年 | 明治40年(1907) |
場所 | 明治村1丁目6番地 |
まとめ
博物館明治村には、国の重要文化財に指定されている建物(11件)と産業遺産(3つ)で合計14件の重要文化財があります。
- 呉服座
- 宇治山田郵便局舎
- リング精紡機【産業遺産】
- 菊花御紋章付平削盤【産業遺産】
- ゐのくち渦巻ポンプ【産業遺産】
- 菅島灯台付属官舎
- 品川燈台
- 西園寺公望別邸「坐漁荘」
- 札幌電話交換局
- 東松家住宅
- 東山梨郡役所
- 三重県庁舎
- 西郷從道邸
- 聖ヨハネ教会堂
明治村を散策する際に、「ほほぅ、これが重要文化財か…」と是非見てくださいね♪
ガイドがある場所では、是非ガイドに参加してみてください。
非公開エリアや見ているだけではわからない詳細を説明してもらえるので、すごくよく理解できます!面白い!
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